EU加盟国、英国の離脱協定案を承認

英国の欧州連合(EU)離脱に関して、EU加盟27ヶ国は11月25日、ブリュッセルで臨時欧州理事会(EU首脳会議)を開き、離脱協定案と、将来的関係に関する政治宣言案を承認した。また、ジブラルタルの領有権問題と、英国の領海における漁業権の問題については別途に宣言が採択された。英国とスペインが領有権を争っているジブラルタルについては、離脱後の移行期間が終了(2020年12月)した時点でEUと英国の関係を規定する将来的な協定がジブラルタルに自動的に適用されないことを認めるという形で英国が譲歩し、スペインは離脱協定案・政治宣言案の承認に拒否権を発動しなかった。英国の排他的経済水域におけるEU加盟国の漁船の漁業権の問題についてはフランスとオランダの強い要求により、移行期間の終了よりも前に「相互的なアクセス権と既存の漁獲枠(クオータ)を維持するという原則に基づいて」英国と合意を締結することを定めた宣言が採択された。両問題の解決は移行期間中の交渉に委ねられるが、時限爆弾になりかねない複雑な要素を秘めている。
理事会は滞りなく終了したが、加盟国の離脱が主題なだけに、欧州委員会のユンケル委員長は「悲しい瞬間」であり、「喜んだり祝ったりすべき時ではない」と語り、メルケル独首相も「45年間の加盟の後に英国が離脱するのを見るのは悲劇的」だと述べた。マクロン仏大統領は欧州統合の再開を改めて呼びかけた。
離脱協定案は12月の中旬に英国の議会で投票に付されるが、承認が危ぶまれている。メイ首相は25日、協定案を再度「最良で、唯一可能な合意」だと形容し、「交渉では望み通りには全てを得ることはできない。英国民も分かってくれるはず」と強調したが、ジブラルタル問題で首相がまたしても譲歩したとの印象を与えただけに、英国内では協定案と首相への反発が強い。