ルノー、ボロレCOOを暫定的な副CEOに任命

日産自動車のカルロス・ゴーン会長が報酬を過少記載した疑いなどで東京地検特捜部により逮捕されたことを受けて、日産自動車の親会社である仏自動車大手ルノーは11月20日、取締役会を開催し、対応策を協議した。ゴーン容疑者はルノーの会長兼CEOでもあるが、21日に東京地裁が30日までの勾留を認め、東京拘置所で勾留されている。勾留期間はさらに12月10日まで延長される可能性があり、実質的に経営に携わることは不可能であるため、ルノーの主要株主である仏政府のルメール経済相が20日朝、暫定的な経営体制の設置を求めていた。ルノーの取締役会は、ゴーン氏に対する容疑について判断する材料がないとして、同氏を当面は会長兼CEOの地位にとどめたうえで、ボロレCOOを副CEOに任命し、暫定的にゴーンCEOと全く同等の権限を付与した。ルノーはまた日産に対して、ゴーン氏およびケリー代表取締役の不正行為の発見につながったとされる内部調査に関する情報提供を要請した。
ルノーと日産および三菱自動車はアライアンスの発展を優先課題とすることを再確認したが、日産は22日にゴーン会長を解任し、経営体制を刷新する方針を表明し、独立系の取締役を任命することを検討している。ルノーは日産の株式の43.4%を保有している主要株主だが、日産は新体制の発足に向けた検討をルノーに相談なしで決めており、これについて仏ルフィガロ紙は、日産に対するルノーの発言力が2015年12月以降に低下したと指摘している。2015年4月に仏政府の保有株の議決権が倍増されたことで、日産は仏政府からの干渉を受けることを警戒、12月にルノーと日産の関係に関する新たな合意が結ばれ、ルノーは日産の取締役会のメンバーの任命、解任、報酬などについて一切干渉しないことや、株主総会で日産の経営陣が反対する決議を支持しないことなどを約束したという。フランス側では、そもそも政府が日産に干渉する意向がなかったこともあり、政府もルノーもこの合意の意味合いを軽視してきたきらいがある。ゴーン氏が日産のトップを兼任する限り、日産とルノーの利益は一致しているとの安心感もあった。しかし、この合意締結に尽力した日産の西川社長は、従来考えられてきたようにゴーン氏の言いなりになる忠実な部下というわけではなく、むしろ日産のルノーに対する独立性を確保し、独自の経営体制を構築することを着々と画策してきたのではないかとの見方をルフィガロ紙は示唆している。