日産のゴーン会長逮捕:仏政府は「経営の安定性確保」に全力

東京地検特捜部が19日に日産自動車のカルロス・ゴーン会長を脱税などの容疑で逮捕したのを受けて、同日にはフランス側にも大きな衝撃が走った。ゴーン氏が会長兼CEOを務めるルノーや、ルノー、日産に三菱自動車を加えたアライアンスの今後がどうなるか、懸念が高まっている。ルノーの株価は同日終値で59.06ユーロとなり、8.43%の急落を記録した。
ルノーの15%株式を保有する主要株主の仏政府にとっても、今回の事件は青天の霹靂だった。ブリュッセルを訪問中だったルメール仏経済相は記者会見で、ルノーの事業の継続性と経営の安定性を確保するため全力を尽くすと言明し、懸念の払拭に努めた。ルノーの会長兼CEOの職務は、規定によりフィリップ・ラガイエット取締役が暫定的に代行し、1年ほど前に就任したティエリー・ボロレCOOも職務を継続する。取締役会は19日に会合を開き、対応を協議したものの、具体的な発表はなされなかった。ボロレCOOは、ゴーンCEOの後任候補として起用されたが、正式な後任指名はなされておらず、ゴーン氏の逮捕劇を受けて、厳しい状況の中でトップ人事を決めなければならなくなった。
日本での捜査を受けて、フランス当局が捜査を開始する可能性もある。ルノー側でも関連した不正がある場合には、脱税については財務省の告訴を受けて全国管区の金融犯罪検事局(PNF)が捜査を進めることになる。会社資産横領についてはナンテール地検の管轄となる。ゴーン氏本人のフランスにおける評価は、コストキラーとして名を馳せた辣腕経営者という肯定的な評価がある一方で、金に汚い権力志向の人物という否定的な見方もあり、特に高額報酬の経営者の代表格として取り上げられることも多かった。仏政府と高額報酬の制限を巡りやり合ったのも記憶に新しい。