トランスジェンダーの元男性、「父親」ではなく「血縁上の親」に=判決

モンペリエ高裁は14日、トランスジェンダーの元男性の訴えを受けて、戸籍上の続柄を「血縁上の親」と登録することを認める判決を下した。従来の戸籍には存在しない、性別を特定しない名称での登録を認めた。元男性は「母親」としての登録を求めていたが、その請求は却下した。
この元男性は1999年に男性として女性と結婚し、子ども2人を設けた。元男性は2009年に女性となることを自ら決め、手術は受けずに生殖機能は残したまま女性となり、2011年には行政訴訟を経て女性として戸籍登録を勝ち取った。これにより、この夫婦は、同性婚の解禁前に女性同士の夫婦になった。その後、元男性は再び、2014年に3子目を設けて、戸籍上の続柄を「母親」とするよう請求したが、戸籍当局から拒否された。元男性側がこれを不服として行政訴訟を起こしていた。
2016年に下された第1審判決は、男性の機能を用いての生殖に訴えることで、元男性は女性としての認知に自ら反したのであり、その結果も自ら負うべきだとの判断を下し、元男性の訴えを退けていた。元男性側の控訴により行われた今回の裁判では、「母親」としての登録は認めなかったが、代わりに「父親」ではなく「血縁上の親」という表現での登録を認めるという形で、元男性側の訴えに一定の配慮を示した格好になった。
判決はまだ上告が可能であり、確定はしていない。この判決については、新たな分類をごく少数のケースにのみ適用することで、差別的な状況が生じる結果を招く恐れがあると懸念を示す向きもある。