燃料価格高騰:フィリップ首相、世帯支援措置を予告

フィリップ首相は14日、民放ラジオRTLとのインタビューの中で、燃料価格の高騰に関係して低所得者を中心とした一連の支援措置を公表した。燃料価格の高騰に反対する抗議行動が17日に行われるのを前に、国民の不満の勢いをそぐ目的で対応策を発表した。
燃料価格の高騰については、政府が気候変動対策の一環として、燃料課税の段階的な強化を進めていることが、批判のやり玉に挙げられている。フィリップ首相は、炭素課税の段階的な強化は重要な政策であり見直さないとした上で、低所得の勤労者がエネルギー移行を果たせるよう支援することを目的に、一連の措置を導入すると予告した。具体的には、廃車手当(汚染度の高い車両を廃車にして、高燃費で汚染度が低い車両を購入する場合に支給される補助金)を、所得水準が下から20%までの世帯について倍額とする(4000ユーロ)と予告。これにより、大統領任期中の支給目標を50万世帯から100万世帯へ引き上げるとした。また、企業等がマイカー通勤者に支給する任意手当については、小型車の利用を条件として対象を拡大し、支給額については社会保険料の免除措置を適用して国が導入を支援する。さらに、低所得層向けに支給される「エネルギー小切手」(エネルギー購入に使用できるバウチャー)については、受給者を200万世帯増やし、重油ボイラーを暖房に使用する世帯がボイラーを買い替えるよう促すための奨励金も導入し、10年以内に重油暖房が駆逐されるように計らう。これらの措置は2019年年頭に施行される。首相によると、その費用総額は5億ユーロに上り、国の予算から支出される。
今回の発表について、野党勢力は、増税しておいてわずかな補助金を出すというのは支離滅裂であり、そろばんも合わないなどと批判している。17日の抗議行動は、SNSなどを通じた自然発生的な呼びかけが大きく拡散したものであり、明確なリーダーがないとあって、政府としては交渉をしようにも窓口がなく、かえって収拾が難しいという状況に追い込まれている。