ラップ歌手の「白人狩り」ビデオが物議に

無名のラップ歌手、ニック・コンラッドがリリースしたビデオクリップが物議を醸している。「白人狩り」を扇動する内容だとして非難する声が政界をはじめとして相次いでいる。パリ地検は26日、「犯罪行為を公然と扇動した」容疑で捜査を開始した。
問題のビデオクリップは、「白人たちを吊るせ」と題した楽曲にあわせて制作されたもので、白人男性(俳優の確保に難があったのか、どちらかというとアラブ系に見える)を黒人らが拉致し、暴力を振るう様子が映画風に提示されている。歌詞は、「白人の子どもたちを殺してその親も殺せ。白人はみんな縛り首だ」などとする内容。
楽曲は17日にリリースされたが、コンラッドが無名ということもあり、まったく話題にはならなかった。ビデオクリップの公表を経て、25日時点で騒ぎとなり、政治家らは一斉に糾弾、コロン内相も国会答弁で厳正に追及すると約束していた。ニック・コンラッドはカメルーン系のフランス人で、地元のパリ郊外ノワジールグランでビデオを撮影した。コンラッドはビデオについて、米国での過去の黒人差別を、白人と黒人を入れ替えて表現したフィクションであり、問題意識の喚起を狙ったものだと主張、「白人狩り」を扇動する意図はないと弁明している。