エリック・ゼムール氏の「名前発言」が物議に

極右系のジャーナリスト、エリック・ゼムール氏の挑発的な言葉が新たに物議を醸している。ゼムール氏は、新著の宣伝を兼ねて地デジ局C8(カナルプリュス傘下)のトーク番組に参加したが、この際、番組のレギュラーの一人であるハプサトゥ・シー氏とファーストネームを巡り口論となった。ゼムール氏は、フランスにおいてはいわゆる「聖人暦」(その日に没した聖人の名前を網羅した暦)にない名前を付けるべきではないと言明。黒人女性であり、およそ聖人暦にはない名前のシー氏が、そのような考え方はフランスに対する侮辱だと反論したところ、「フランスに対する侮辱であるのはあなたの名前の方だ。フランスには過去があり、歴史がある。名前はフランスの歴史を体現するものだ」などと述べて、フランス人らしい名前を付けるのが当然だとの論を展開した。一連の発言の部分は編集でカットされ、オンエアはされなかったが、シー氏は自ら、SNS上でこの場面の動画を公開し、テレビ局に対してゼムール氏を今後は出演させないよう求める署名運動をネット上で開始した。
ゼムール氏排除の呼びかけには賛否両論があり、反対論としては、いたずらに排除するよりは、論駁する道を選ぶべきだという声がある。放送行政監督機関のCSAも、ゼムール氏のこれまでの一連の発言を問題視し、制裁を発動する可能性があると警告しているが、尖った人が暴れると視聴率を稼げるという局側の事情もあり、ゼムール氏のような論客の需要は薄れる気配がない。