マクロン大統領、アルジェリア戦争時の拷問の事実を認める

マクロン大統領は13日、アルジェリア戦争時に起こったフランス人教師の失踪事件について、政府の責任を認めた。軍人が拷問の上で死に至らしめたことを確認し、当時の政府に責任の一端があったと認めた。犠牲者の夫人に説明を記した書簡を手交した。
死亡したのは数学の教員を務めていたモーリス・オーダン氏で、1957年6月、アルジェで逮捕され、その後の行方は明らかになっていなかった。オーダン氏は共産党員で、独立支持派だった。夫人のジョゼットさんは長年に渡り、真相の究明を求めて政府に働きかけてきたが、これまで政府は経緯を明確にしていなかった。
マクロン大統領は、軍関係者による拷問があったことを認めた上で、事件当時、フランス政府は有事立法を通じて軍に強大な権限を付与し、これが拷問など不当な行為の温床になったと指摘。政府に責任の一端があったことを認めた。大統領はまた、当時の国防機密文書を研究者や遺族などに特例措置として開示すると約束、真実を明らかにする取り組みを支援するとした。
マクロン大統領は、当選前の選挙キャンペーン中にアルジェリアを訪問し、植民地化を「人道に反する罪」として断罪し、保守派などから批判を受けたという経緯がある。極右勢力を含めて、旧植民地に対する「謝罪と悔悟」を屈辱とみなす人々は少なくない。大統領は今回の発表で、再びこのテーマで踏み込んだ姿勢を示すことで、左寄りの支持層の取り戻しを図ろうとしたとも考えられる。