チーズ作り、地中海沿岸では7200年前から

アドリア海(地中海)に面したクロアチアのダルマチア地方での遺跡発掘調査により、7200年前のチーズ生産の痕跡が発見された。英米の研究チームが9月5日、PLOS ONE誌で発表した。
発掘はシベニク市の周辺で10年以上前に行われたものだというが、2ヶ所の新石器時代の遺跡で発見された47個の容器のうちの4分の3から、チーズの生産を示す脂肪酸の残留物が検出された。さらに、チーズに含まれる主要なタンパク質であるカゼインなども同時に発見され、原料としてはヤギ乳が用いられたと推定される。発酵には「自然酵素」が用いられたと考えられるが、製造法の究明は今後の課題という。なお容器からはブルセラ属菌の痕跡も見つかっており、これが発酵に用いられた可能性もある模様(ブルセラ属菌はブルセラ症を引き起こすため、現代のチーズでは低温殺菌法により除外されている)。
チーズ作りに関する考古学研究では、脂肪酸の発見などを根拠に、すでにトルコで8000年前、ポーランドで7500年前に遡るとされてきたが、今回の研究報告では初めて数種類のカゼインが検出されたことが画期的だという。