マクロン政権が内閣改造、ユロ環境相の後任にドリュジー下院議長

マクロン大統領は4日、内閣改造人事を発表した。辞任したユロ環境相の後任として、フランソワ・ドリュジー下院議長を任命した。また、税制上の問題が報じられたフレセル・スポーツ相も同じ機会に辞任、後任には元水泳選手のロクサナ・マラシネアヌ氏(43)が任命された。辞任の閣僚を1人ずつ任命する小幅な改造となった。
ユロ環境相の後任となったドリュジー氏は環境派の政治家で、2017年6月の総選挙に当選して3期目の任期を迎えた。それに先立つ大統領選では、左派の大統領候補を決める予備選に出馬、落選直後にマクロン候補の支持をいち早く表明し、左派陣営から一線を画していた。マクロン大統領は当選後にドリュジー氏を下院議長として推して支持に報いた。今回、民間から鳴り物入りで登用したユロ環境相の後任として、信頼を寄せる環境派の人材の起用を決めたが、経験が深い政治のプロの起用は安全重視の選択でもある。環境NGOなどからは、ユロ環境相の辞任が環境政策への「電気ショック」となることを期待する声もあったが、人選はそうした期待に沿ったものとはならなかった。なお、下院議長の後任選びでは、与党LREM議員団のフェラン団長の就任が有力視されているが、2人の女性議員の立候補も取り沙汰されている。また、フェラン団長が議長に就任する場合には、団長の後任探しも必要になり、与党内では色めき立っている。
スポーツ相の後任に就任したマラシネアヌ氏は、世界水泳で金、五輪で銀の実績がある女子水泳選手だった。ルーマニア系で、チャウチェスク独裁政権を逃れて1984年に、両親と共にフランスに亡命した。政治の経験は、イルドフランス地域圏(パリ首都圏)の議員(社会党所属)がある程度だが、マクロン政権下では報告書作成(学校における水泳教育の強化)に携わるなどして活躍していた。2024年のパリ五輪開催準備が最大の課題となる。
これとは別に、この数日間で懸案となっていた所得税源泉徴収化の延期の是非について、フィリップ首相は4日夜のテレビインタビューの機会に、予定通り2019年年頭に源泉徴収化を行うことが決まったと発表した。首相は、源泉徴収化に伴う家計の資金繰りを支援し、源泉徴収化が購買力に悪影響を及ぼさないようにすることが課題だったとし、このために、各種税額控除(家庭内雇用、高齢者介護など)の還付を、1月15日に60%相当を支給する形にすることを決めたと明らかにした。