仏自動車生産、商用車が25%に

仏レゼコー紙が市場調査大手IHSと協力して実施した調査によると、フランス国内の自動車生産において、バンや小型トラックなどの商用車が占める割合が拡大しており、2017年には25%を占めるに至った。フランスの商用車生産台数は2000年の45万1195台が2017年には56万4610台へと25%の増加を記録した。この間に乗用車の生産台数が減少したことも手伝い、商用車の割合は2000年の14%から25%へと大きく上昇した。
乗用車の生産台数は2000年には小型車も中・大型車もともに140万台超だったが、2017年には小型車は94万2000台(33%減)、中・大型車は71万9345台(50%減)に後退した。特に大きく減少したのは2005年から2011年にかけてで、近年はむしろ微増する傾向にあるが、国内に新工場が建設されない限り、かつての水準に復帰することは考えにくい。
2000年から2017年にかけて、商用車の生産がより安定的に推移してきたのは、フランスが欧州における「商用車のチャンピオン」(自動車部品大手フォルシアのCEO)としての優位を維持してきたからでもあるが、IHSによると、標準化の度合いが大きい乗用車と異なり、商用車はユーザーのニーズに応じて多種多様なカスタマイズを行うため、収益性が高いせいだという。ただし、やはりIHSによると、近年のバンの生産増は、2014年に「ルノー・トラフィック」の生産がスペイン・バルセロナの日産工場から仏サンドゥビルのルノー工場に移転されたことに負うところが大きい。
メーカー別では、ルノーが年間に43万台の商用車を仏国内で生産しており、競合のPSAの11万台を大きく上回る。PSA傘下のプジョーはむしろイベリア半島で商用車を生産している。
レゼコー紙はまた、商用車の電動化についても報じている。2018年1-6月期にフランスでは3679台の電動商用車が販売され、前年同期比で41%増を記録した。商用車新車販売台数に占めるシェア自体は1.5%とまだ微々たるものだが、今後の素早い成長が見込まれる。仏商用車市場でのベストセラーは「ルノー・カングー」だが、1-6月期のカングーの販売台数のうち9.3%を電動モデルが占めた。また日産が6月初めに投入した新型「e-NV200」は注文が殺到し、発売から10日目以降に注文した購入者はもはや年内の引き渡しを期待できない状況だという。
電動モデルは税制優遇措置など各種の補助を受けられるうえに、燃料コストを節減できる利点がある。ガソリンスタンドを探す面倒がない利点や、運転の快適性も電動モデルの普及に貢献している。電気自動車の弱点といわれてきた航続距離(一回の充電での走行可能距離)も今や実用条件で170km程度に伸びた。ただし、商用車の利用は長期リース契約の形をとることが多く、リース料は残価設定に左右されるため、残価設定の目安となる中古車市場が確立していないことが電動モデルにハンデとなっている。