ドイツ:兵役復活の議論が浮上

ドイツで兵役復活の議論が浮上している。兵役義務は2011年にメルケル政権により廃止されたが、メルケル首相のキリスト教民主同盟(CDU)内では兵役廃止を批判する声が根強くある。これを受けて、CDUのクランプカレンバウアー幹事長が去る7月23日に兵役復活の検討を提案。これが各方面で話題となっている。
連立を構成する保革の両党とも支持率低下に見舞われているが、CDUでも低落傾向は鮮明で、クランプカレンバウアー幹事長は挽回を期して、全国で党員から意見を聴取するためのミーティングを開催。その結果を踏まえてこの提案を行った。ミーティングでは、2017年の同性婚解禁、2015年の難民受け入れ決定、そして2011年の兵役義務廃止に党員らの不満が集中しており、幹事長は保守色を強める支持層に配慮し、今回の提案を行った。具体的には、2021年の次期総選挙に向けて2020年にまとめる予定の新綱領に盛り込むことを検討するため、今秋に開かれる次期党大会で議題とすることを提案した。
兵役復活は、台頭する極右政党AfDの主張の一つでもあり、極右政党に奪われた有権者の引き戻しを狙う意図もうかがわれる。半面、他の政党は、左翼党、連立パートナーの社民党(SPD)、そして自民党(中道)共に反対を表明。連立協定に含まれていない案件でもあり、現政権の下での兵役復活は考えにくいが、世論は兵役復活に傾いており、復活に賛成すると答えた人は全体の55%に上っている。