国会が夏休み入り

下院は7月31日、ベナラ事件で野党側が提出した2件の内閣不信任案を審議した。いずれの不信任案も反対多数で否決された。不信任案は、保守野党の共和党と、左派3党(社会党、共産党、不服従のフランス)がそれぞれ提出。審議の際にフィリップ首相は、左右の両陣営の過去のスキャンダルを引き合いに出して、現政権の対応がはるかに迅速であり、透明度も高いと弁明。野党側の圧力に負けずに各種改革を推進する決意を再確認した。
下院は8月1日に一連の法案を採択して閉会、夏季休暇に入った。1日には、職業訓練等改革法案、性的暴行等対策法案、難民・移民法案、行政当局との関係改善に関する法案が最終的に可決された。うち、性的暴行等対策法案は、15才以下の者との性行為に対する追及を強化する措置の導入が柱の一つで、当初は性交同意年齢の設定なども取り沙汰されたが、政府の立場は徐々に後退し、結局は現行制度と比べて大差ない規定に落ち着いた。NGOなどはこれを強く批判している。法案ではこのほか、往来での性的な侮蔑行為を犯罪として処罰する旨の新規定が制定された。
下院は9月12日に会期を再開する。開始当初の議事日程には、憲法改正法案の審議が含まれておらず、憲法改正の実現が危ぶまれている。同法案の審議はベナラ事件の発生により中断・延期が決まったが、憲法改正法案の議会における可決には野党側の協力が不可欠となり、事件を経て野党側が対決姿勢を強めているだけに、実現は一段と困難になった。