ドイツ:ネオナチによる移民殺害事件、終身刑判決下る

ネオナチのグループによる移民殺害事件で、ミュンヘン高等裁判所は11日、第1審裁判所として被告人のベアーテ・チェッペ(43)に終身刑の判決を下した。被告人は無罪を主張、判決を不服として控訴する考えを弁護士を通じて明らかにした。
この事件では、2000年から2007年にかけて、ドイツの各所で主にトルコ系の商店主などが殺害された。犯行はハンブルク、ニュルンベルク、ドルトムント、ミュンヘンなどで行われ、移民系の9人と婦人警官1人の合計10人が殺害された。犯人グループは、被告人のチェッペ(女性)と、ムントロース、ベーナルトの男性2人で、NSU(国家社会主義アンダーグラウンド)なる組織を名乗っていた。テロ行為と並行して銀行強盗を数度に渡り行い、資金を確保していた。警察当局は当初、殺人事件をコミュニティ間の抗争と考えていたが、2011年になり極右のグループによるテロの線で捜査を開始。同年11月には犯人2人が焼死体(自殺とみられる)で発見され、チェッペが逮捕された。
3人は1990年代に旧東独地方の施設で知り合い、極右のグループを結成して秘密活動を営んでいた。裁判は437日に渡る長丁場となり、法廷闘争を経て紆余曲折の末にようやく判決が下った。チェッペは殺人への関与を否定し、無罪を主張したが、裁判所はこれを退け、有罪判決を下した。また、チェッペの協力者として起訴された4人も、禁固2年6ヵ月から10年までの有罪判決を言い渡された。
警察が捜査における判断を誤り、グループが10年近くに渡って活動を続けることができたことについては、警察内部に内通者がいた可能性を含めて様々な疑惑が浮上している。この問題は国会調査委による調査も行われたが明確な結論は出ず、裁判の機会にも真実の解明には至らなかった。トルコの外相は11日、殺人の背後に隠れている者が明るみに出されることがなかったとして判決に不満の念を表明した。