欧州人権裁、警察の人権侵害で仏政府を断罪

欧州人権裁判所は21日、警察による逮捕を経て死亡した男性の事件で、欧州人権条約第2条「生きる権利」への侵害があったと認定、フランス政府の落ち度を認めた。
この事件は2009年6月に発生。アルジェリア系の男性アリ・ジリさん(事件当時69才)が飲酒運転を経て警察に逮捕され、警察署に連行されたが、警察署で意識不明の状態に陥った。男性はその後、病院に運ばれたが、心肺停止状態が確認され、その33時間後に死亡した。遺族は真相究明を訴えたが、司法当局は最終的に不起訴処分を決定したことから、これを不服として、欧州人権裁判所に提訴していた。
警察は車中で抵抗するジリさんを、背中を押して二つ折りにする形で輸送(現在は窒息の危険があるため禁止されている)しており、警察署で意識不明となった後もしばらくそのまま放置した。入院先の病院でも1時間15分に渡り放置された。裁判所は、これらの要因の一つ一つについては違反行為を構成するとは言えないが、これらが組み合わさった状態になったことが「生きる権利の侵害」に相当するとの判断を下した。遺族側の弁護士は、現場の警察官の対応そのものよりも、その上司らの隠蔽体質や、司法当局の及び腰の対応を問題視している。欧州人権裁がこの種の警察の暴力行為で仏政府の落ち度を認める判決を下したのは、年頭来でこれが3回目。