パリ19区の巨大難民キャンプが強制排除に

警察は30日朝、パリ19区内に自然発生した難民キャンプの強制排除に着手した。ショッピングセンター「ミレネール」の至近距離にある運河沿いの地区に、数日前まで1600人にも上る難民らがテント生活を送っていた。このキャンプでは、7日夜から8日未明にかけて死亡者が出ており、劣悪な生活条件で緊張も高まっていた。当局は人道的な対応を目的に掲げて強制排除を実施、パリ首都圏内の23ヵ所の体育館を臨時収容施設として、各人の申請を検討すると約束した。
難民のうち、欧州諸国のいずれでも身分確認(指紋の採取等)の対象となっていない者の場合は、フランスにおける難民申請が認められる公算が高く、こうした者たちは強制排除を歓迎している。難民キャンプが発生する背景には、当局による申請の受理まで進むのに時間がかかり、待機する者たちが行き場がないまま増えるという事情がある。ただ、欧州諸国のいずれかで身分確認がなされている者の場合は、確認がなされた国に送還することが可能であり(ダブリン規定と呼ばれる)、申請がなされても送還の対象となる恐れがある。このケースの人々は、強制排除が予定されているという噂を聞きつけてキャンプを離れた者も多い。イタリアなど最初に身分確認がなされた国に送還されても、再びフランスに舞い戻る者も多く、ダブリン規定そのものを見直さない限り、難民キャンプがいずれかの場所にまた形成され、問題は解決しないという指摘もある。