強盗を射殺の宝石商、「正当防衛」の是非巡る裁判始まる

アルプマリティム重罪院で5月28日、宝石商の「正当防衛」を巡る裁判が始まる。6月1日に判決が下る予定。
事件はニース市内で2013年に発生。レバノン系の宝石商、ステファン・チュルク被告人(67)が市内に構えていた店舗に、拳銃などで武装した2人組の強盗が開店準備中に押し入り、被告人に暴行を加えた上で金品を奪い、スクーターに乗って逃走した。チュルク被告人は無届で保有していたライフルを持ち出し、店の前でスクーターに向けて3回発射した。これで、後部に乗っていた犯人の一人、アントニー・アスリ(19)が死亡した。
この事件では、生き残った犯人が強盗事件で禁固10年の有罪判決を受けている(控訴審判決)。チュルク被告人は、殺人及び銃刀不法所持の容疑で起訴され、今回の公判に至った。事件は発生直後から反響を呼び、保守系の政治家を含めて、被告人に対する支援を多くの人々が表明した。被告人の弁護団は、スクーターに乗った男が振り返って銃を撃とうとしたので、身を守るために発射したとして、正当防衛を主張している。店の防犯カメラには、狙撃をする被告人の姿は写っているが、逃亡するスクーターの映像はなく、目撃者らの証言も、被告人の主張を裏付ける材料に乏しい。検察側はこのため、正当防衛の要件を満たしていないとして、殺人容疑で起訴した。