仏大西洋岸でウナギ稚魚密漁の被害

仏大西洋岸の4県(バンデ、ロワール・アトランティック、イルエビレーヌ、モルビアン)で4月中旬にウナギ稚魚の密漁・密売団の大規模な摘発が行われた。13人が逮捕された。
フランスではウナギ(ヨーロッパ種、学名Anguilla anguilla)はこの30年間で75%の激減を記録。堤防の整備などが理由でウナギの生息環境が破壊されていることに加えて、乱獲が原因と考えられている。このため、2010年からは欧州連合(EU)域外への輸出が禁止されており、フランス国内でも漁獲量割当が強化されている。フランスでは、530の漁民がウナギ漁を許可されており、2017-18年の漁獲年度には、ウナギ稚魚65トンの漁獲枠が設定された。これはEU全域の漁獲枠の8割近くに相当する。
フランスではウナギは稚魚をフライなどの形で食するのが一般的で、漁も専ら稚魚が対象となる。他方、大消費地である日本でもウナギが激減しており、養殖を目的とした稚魚の需要は大きい。密漁のウナギ稚魚が一大市場である香港に送られると、そこではキロ当たり1000-4000ユーロという高値で取引されるといい、密漁・密売者の儲けは大きい。密漁者では、流浪民を中心に代々密漁をしている家族がいくつかあるといい、仲買人の中にも、輸出が禁止されていなかった時代に構築した人脈を使って横流しを組織している者がいるという。フランスをはじめとする欧州諸国は摘発に向けた協力を強化しており、2017年には48人を逮捕、4トンのウナギ稚魚を押収した。摘発された密売団は5年間で2億8000万ユーロを荒稼ぎしていたといわれる。