「カマンベールの戦い」に終止符:原産地統制呼称の仕様書改定で基本合意

フランスを代表するナチュラルチーズ「カマンベール」のAOP(原産地統制呼称)仕様書の改定を巡る基本合意がこのほど成立した。伝統の製法を擁護する小規模の生産者と大手メーカーの間で続いていた争いがようやく解決に向けて前進した。
AOP指定を受けている「カマンベール・ド・ノルマンディ(ノルマンディのカマンベール)」の従来の仕様書は、生乳を原料に用いる旨を定めており、低温殺菌乳を用いる大手メーカーの製品はこれを名乗ることができない。このため、大手メーカーは、「ノルマンディ産カマンベール」なる呼称で製品を販売しているが、他の地方産の牛乳を搬入して製造するケースもあり、「カマンベール・ド・ノルマンディ」の生産者は、紛らわしい呼称を使うのは違反行為だと主張して、大手メーカーと争っていた。
今回、AOPの登録機関であるINAOの設置した作業部会を舞台にした協議がようやくまとまり、当事者らは仕様書の改定で基本合意に達した。改定後の仕様書では、生乳のみを用いるという規定が解除され、低温殺菌乳の使用が認められることになった。大手メーカーはその一方で、ノルマンディ産の牛乳のみを用いることを受け入れたが、対象となる牛乳生産者の数は、現在の500から2000へと拡大される。大手は仕様書に合流し、「ノルマンディ産カマンベール」を今後は販売しないと約束した。それと同時に、生乳を用いた伝統的製品には、「カマンベール・ド・ノルマンディ」の中でも特別の呼称を用いることが認められるとの措置も導入される。「本物のカマンベール」といった呼称となる見通しで、カマンベールの中で等級を設定するという方式に移行することになる。