大パリ圏環状地下鉄:フィリップ首相、計画の一部延期を決める

大パリ圏環状地下鉄整備計画で、フィリップ首相は22日、計画の一部延期を発表した。整備の時期を2030年に遅らせた。首相は、短期間に工事が集中すると、リソース不足で費用が増大すると指摘。時期を遅らせることにより、総費用の10%削減を目指すと説明した。
大パリ圏環状地下鉄整備計画では、200kmと68駅が整備されることになっている。計画予算は、現時点で350億ユーロとなっており、2010年時点の予定である190億ユーロから大きく膨張している。首相は、優先的な区間を2024年までに整備し、それ以外は2030年以降の完成を目指す考えを明らかにした上で、延期により、既存の計画のすべての実現に向けて、現実的な基盤を整えられると説明した。首相はまた、計画実施主体のSGPのガバナンス改革を予告。さらに、SGPの税的財源の拡大(オフィスへの課税、宿泊税の引き上げなど)を図る方針を決めた。
建設計画では、既存のメトロ14号線を南北に延伸し、これと南北で交差し、パリを囲んで郊外を大きく一周する環状地下鉄15号線を整備。さらにその東側を周回するもう一つのループを16号線として整備。16号線から分岐して北のシャルルドゴール空港方面に向かう17号線が整備されることになっている。また、14号線の南端のオルリー空港から、サクレー研究都市を通ってベルサイユに抜ける18号線も整備される。このうち、15号線の南側区間は既に工事が開始されている。フィリップ首相は、2024年のパリ五輪に間に合わせることが必要な区間として、15号線南側区間のほか、14号線の延伸と、16号線・17号線の共通区間(サンドニ・プレイエルからルブルジェ・RERまで)を選定。16号線のルブルジェからクリシー・モンフェルメイユまでの区間も2024年の優先整備区間としたが、こちらの実現は手続きが進んでいないこともあり危ぶまれている。残りの区間はいずれも予定より延期。15号線の残り区間は2030年の完成が目標となった。17号線のルブルジェ・RERからルブルジェ空港までの区間については、五輪対策もあって「可能な限り」整備を2024年までに終わらせるとの方針が示されたが、こちらの実現も危ぶまれている。同じく17号線では、大規模な開発計画があるゴネス市の「トリアングル」までを2027年までに、残りは2030年の整備が目標となる。18号線については、オルリー空港からサクレーまでを2027年に整備し、残りは2030年の完成となる。