リール市の家賃規制、行政裁が無効と認定

リール行政裁判所は17日、リール市を対象に導入された家賃規制について、これを無効とする判決を下した。2014年の法改正(通称ALUR法の制定)により導入された家賃規制がこれで事実上の廃止に至る恐れもある。
この家賃規制は、住宅の需給がひっ迫する地区を指定の上で導入されるもので、地区内の実勢家賃の中央値を基準に、一定の家賃のレンジを定め、それを上回る家賃については、借家人の請求を受けて、レンジ内に家賃を引き下げる義務を所有者が負う(逆に、レンジを下回る家賃の場合、所有者は家賃をレンジ内まで引き上げることができる)という趣旨。この規制は2015年8月にパリでまず導入され、リールは全国で2ヵ所目として、2017年2月に導入されたばかりだった。
リール行政裁は、賃貸住宅所有者団体など、関連業界団体等の訴えを受けて今回の決定を下した。リール市内のみの適用で不公平が生じるとする団体側の主張を認める形で、リール都市圏全体を適用対象にすべきだと認定。リール市内のみの適用を禁止する判決を下した。
この判決に控訴する権利があるのは国のみだが、マクロン大統領は、オランド前政権が導入したこの家賃規制に懐疑的な見方を示しており、担当省庁である国土整備省は控訴を検討するとコメントしているものの、実際に控訴がなされるかは微妙で、リール市の家賃規制はこのまま廃止になる可能性もある。また、パリ市内の家賃規制についても、行政訴訟になれば同じ論拠により無効判決が下る可能性がある。