大統領候補の資産申告が公表に

公職に就く者の透明性確保を目的とする独立機関HATVPは22日、ウェブページ(hatvp.fr)を通じて、大統領選立候補者11人の資産申告書類を開示した。HATVPはカユザック事件(カユザック予算相が国外資産の所有を隠していた事件)を契機に従来機関の権限を強化した上で発足した機関で、大統領候補の資産申告内容を公開するのは今回が初めて。11人全員の1月1日時点の資産状況の申告内容が第1回投票終了まで開示される。その後は、決選投票に残った2候補の申告内容のみの開示が継続される。
申告によると、資産額はプトゥー候補(極左NPA)が3万1600ユーロで最も少なく、デュポンテニャン候補(右翼)が232万9000ユーロで最も多い。少々意外なのは、左翼党所属のメランション候補で、保有資産が113万1212ユーロ(債務額が15万1724ユーロ)に上り、パリ10区のアパート(2014年に80万ユーロで購入)をはじめ3件の不動産を所有している。忘れがちだが、メランション候補はかつては社会党に所属し、閣僚も務めたプロの政治家であり、この程度の資産は当然でもあるだろう。
事件絡みで特に注目された共和党のフィヨン候補は、保有資産額が107万7435ユーロ(債務額が11万5279ユーロ)で、下院議員として行った前回の資産申告と比べると、今回は実業家のラドレドラシャリエール氏からの5万ユーロの借入金が記載されたほか、3万ユーロが「家族からの借入」という名目で新たに計上された。これは、架空雇用疑惑で名前が挙がっている娘のマリー・フィヨン氏から、税金の納付のために借りたという名目になっている。また、やはり不正疑惑の焦点となっている、自身が保有するコンサル会社2Fコンセイユについて、資産価値が従来の8倍の9万8777ユーロへかさ上げされた。同じく事件絡みの極右FNのマリーヌ・ルペン候補の場合は、資産額63万686ユーロ(債務額が3514.84ユーロ)で、欧州議員として行った前回申告に比べてほとんど変わっていないが、パリ西郊サンクルーにある家族の地所の保有分の評価額が22万5000ユーロから31万2500ユーロへ修正された。
他方、マクロン候補の資産額は33万6004ユーロ(債務額は24万6837ユーロ、国への債務が5万3652ユーロ)と少ない。銀行家として稼いでいたマクロン氏の資産額が不自然に低いことは、これまでにも疑惑の目が向けられている。ちなみに、国への債務とは、マクロン氏が国立行政学院(ENA)の卒業生に義務付けられている、一定期間の公務員としての就業義務を守らず、民間に転職したことに由来する学費返済義務を指す。