ロンドンのテロ事件、犠牲者数が4人に:犯人は52才の英国生まれ男性

3月22日にロンドンの国会議事堂近くで起きたテロ襲撃事件の犯人は英国生まれの52才の男性で、ハリド・マスード(Khalid Masood)という名前であることが明らかになった。マスードがウェストミンスター橋の上でヒュンダイ製のSUV(ヒュンダイ・ツーソン)により次々とはねた歩行者のうち、重傷者1人が23日に死亡し、即死した2人と刺殺された警察官1人と合わせて、4人の被害者が死亡した。マスード自身も警察により射殺されたため、事件の死者数は合計で5人となった。
捜査当局はこの事件をイスラムテロと判断していたが、これを裏付ける形で、「イスラム国」が23日朝にTelegram Messengerを通じて犯行声明を発表した。声明は、マスードを、中東地域で軍事活動を展開する西欧諸国に対する戦いを呼びかけた「イスラム国」のメッセージに応えて作戦を実施した「戦士」とした。
マスードは1964年12月25日にケント(イングランド南東)で生まれ、数人(3人または4人)の子どもの父親であり、昨年の12月までバーミンガムの近郊に住んでいた。犯行に用いられたツーソンも同地のレンタカー会社のものだった。マスードは1983年から2003年にかけて傷害罪や刃物の違法所持など一連の犯罪歴があり、またMI5によるイスラム過激派の捜査対象者となったこともあるが、「周辺的」人物とみなされ、潜在的なテロリストとしてはマークされておらず、捜査や監視の対象にもなっていなかった。バーミンガム在住時代のマスードとその一家について、近所の人々は「ナイスガイ」で「普通の家族」だったなどと証言しているが、マスードは複数の名前を使い分けていたともいわれ、また服役中に刑務所で過激化したとの見方も出ている。
なお、バーミンガムは自動車産業で知られ、南アジアやカリブからの移民とそのその子孫が多く、イスラム過激派組織の拠点でもあるとみなされている。ブリュッセルやパリで起きたテロ襲撃事件の容疑者が滞在したこともあり、何度かマスコミを賑わせた