安倍首相、欧州歴訪で貿易自由化を擁護

安倍首相は3月19日から欧州を歴訪し、自由貿易の推進を呼びかけている。首相はまず19日夜、独ハノーバーを訪れ、メルケル首相とともに、CeBIT(国際情報通信技術見本市、20-24日に開催)の前夜祭に出席した。なお、日本は今年のCeBITのパートナー国に選ばれている。両首相はICTが世界各国をますます強く結びつけることを強調しつつ、公正なルールを守りつつ、自由で開かれた経済関係の構築を支持し、欧州連合(EU)と日本の経済連携協定(EPA)締結を急ぐことを主張した。
安倍首相は20日夜にはフランスを訪問し、パリでオランド大統領との会談や大統領府での晩餐会を通じて、やはり自由貿易を擁護し、EPA交渉の加速を支持した。首相は21日にはブリュッセルで、欧州委員会のユンケル委員長および欧州理事会のトゥスク議長と会談する見通し。
米国がトランプ政権下で環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)からの撤退を決めるなど内向化しつつある中で、EUと日本は保護主義に対抗して自由貿易を擁護するために共闘する姿勢を強めている。欧州側では、日本が以前よりも欧州との関係を重視し、EUとの貿易自由化に活路を求めようとしていると受け止めて、安倍首相の訪問を歓迎している。
ただし、EUがカナダと包括的経済貿易協定(CETA)を結んだ際にもEU域内で強い抵抗があり、いったんは頓挫しかけたように、農産物や自動車などのセンシティブな品目をめぐって克服すべき課題は多い。ちなみに日本はEUにとり6番目に規模の大きい貿易相手で(2016年の実績)、日本との貿易はEUの貿易全体の3.6%を占める。これはカナダとの貿易のほぼ2倍に相当するだけに、自由化の影響も大きい。