鎌状赤血球症の遺伝子治療で成果

鎌状赤血球症の遺伝子治療で有望な結果が得られた。専門誌NEJM上で2日に研究結果が発表された。
2004年10月にパリ・ネッケール病院で遺伝子治療を受けた13才の少年について、良好な回復が確認された。鎌状赤血球症は、赤血球の変形により起こる遺伝病で、現在は骨髄移植以外に有効な治療法が確立していない。今回の遺伝子治療では、仏フィリップ・ルルーシュ教授(CEA)らが開発したレンチウィルス系のベクター「LentiGlobin BB305」が用いられた。ベータグロビンの正常な遺伝子を取り込んだベクターを患者の骨髄から採取した造血幹細胞と接触させ、患者の骨髄に化学治療を施した上で、遺伝子改変を経た造血幹細胞を一度に血管経由で戻すという方法が用いられた。治療後の経過は順調で、患者は通常の生活を送るまでに回復している。
鎌状赤血球症はアフリカやアジアの一部地域で特に多い遺伝病で、世界では毎年27万5000人の患者が生まれており、フランスでは2万6000人の患者を数える。新たな遺伝子治療は患者1人につき現状では50万ユーロの費用がかかるが、利用が本格化すれば費用の低下が望めるという。