社会党の大統領候補、アモン前教育相が指名獲得

社会党主催の大統領候補予備選の決選投票が29日に行われた。党内左派のアモン前教育相が59%近くの得票率を得て、党内右派のバルス前首相を下して指名を決めた。投票者数は200万人近くに上り、1週間前の第1回投票(約160万人)を上回った。
アモン前教育相は、全国民対象の最低所得保障の導入を柱とする左派色の強い政策を掲げ、左寄りの層にアピールした。左派有権者層にはオランド政権の成果への不満が根強くあり、首相としてオランド政権を支えたバルス候補の支持は伸びず、これはアモン候補にとって追い風となった。アモン候補は当選発表後、左派勢力の他の候補、特にメランション候補(左翼党所属)とジャド候補(環境派EELV)に対して協力を呼びかけると言明。敗北したバルス氏は、アモン候補に向けて幸運を祈るとコメント。全体の利益を尊重し、誠実にふるまうと約束した。
59%という得票率は、かなりの差があるとはいえ、微妙な数字でもあり、党内には左派色が強いアモン候補に対する警戒感がかなりあることを示している。党内の左派と右派の間の亀裂が修復不能なまでに拡大した可能性もあり、アモン候補は今後、党内の求心力を確保することが課題となる。とりわけ、大統領選に独自に立候補したマクロン前経済相の陣営に党内右派から合流する者が相次ぐ可能性があり、党の分裂が決定的になる恐れもある。幸か不幸か、バルス前首相はマクロン前経済相とは犬猿の仲であり、マクロン前経済相が大統領選で勝利するようなことがあれば、バルス氏の政治生命はそこで終わりという厳しい事情も手伝い、バルス氏は自らの支持基盤がマクロン前経済相になびくのを全力で阻止するものと予想される。そのあたりも含めて、今後の合従連衡の動きがどうなるかが注目される。
なお、ルフィガロ紙が30日付で発表した世論調査(決選投票前の26日と27日に実施)によると、大統領選第1回投票の支持率(中道野党MODEMのバイルー党首が出馬しない場合)は、極右FNのマリーヌ・ルペン党首が25%でトップ、共和党のフィヨン候補が失速で22%、マクロン前経済相が21%と、両者の差が縮まった。アモン前教育相は支持率が15%で4位となり、メランション候補(10%)を上回った。これは、左派色を前面に打ち出したアモン候補が、メランション候補から有権者を奪い取ることに成功したことを示している。なお、決選投票では、ルペン党首がいずれの場合でも敗北するという結果になっている。