共和党のフィヨン大統領候補、夫人を架空雇用の疑惑が浮上

週刊紙カナール・アンシェネは25日付で、共和党のフィヨン大統領候補の夫人に関する架空雇用疑惑を報じた。1998年から2007年まで、合計で50万ユーロを受け取っていたと報じた。検察当局はこの報道を受けて、予備調査を開始したことを25日中に明らかにした。
フィヨン候補の夫人のペネロピー・フィヨン氏は英国出身。1980年にフィヨン氏と結婚し、5人の子供がある。報道によれば、フィヨン氏は下院議員として、1998年から2002年まで議員秘書の名目で月額3900-4600ユーロ(現金給与総額ベース)でペネロピー夫人を雇用。次いで、大臣を歴任した2002年から2007年にかけては、フィヨン氏の補欠議員(大臣を務めるために辞任した議員の代わりを務める者で、選挙時にセットで選出される)を務めたジュロー氏により月額7900ユーロにて採用された。国会議員は公費(現在は月額9561ユーロが限度)により秘書を採用する権利があり、身内を秘書に採用するのは違法ではないが、実際に仕事をしていない場合は架空雇用として追及の対象となる。フィヨン夫人の場合、議事堂で一度も見かけなかったという証言もあり、就労があったかどうかは疑わしい。特に、補欠議員時代の報酬は、限度額と比較すると極めて高い。フィヨン候補の陣営は、違法性は一切なく、夫人は家で働いていたと釈明しているが、ペネロピー夫人自身が、この数年間のインタビューで繰り返し、自身は政治にはかかわっていないと言明してきたことを考えると釈然としない部分が目立つ。これに加えて、フィヨン氏に近い資産家のラドレドラシャリエール氏が保有する雑誌「ルビュデュドゥーモンド(両世界評論)」から、2012年と2013年に合計10万ユーロを「文芸顧問」の名目で受け取っていたとの報道も浮上している。
フィヨン候補は、清廉潔白を売り物に、数々の疑惑の渦中にあるサルコジ前大統領を批判、架空雇用問題で有罪判決を受けたジュペ元首相との違いも、予備選における支持獲得の材料となった。それだけに、公的資金を不明朗に用いた過去が暴露されたことは、かなりの打撃となる恐れもある。