マルセイユのMuCEM、言語多様性をテーマとする特別展

マルセイユのMuCEM(欧州・地中海文明博物館)で「バベルの後は翻訳」と題する特別展が開催中。ギリシャ哲学を専門とする文献学者のバルバラ・カサン氏が初めて監修した展覧会で、言語の多様性・複数性とその間の対話こそがアイデンティティを見出す道であるとの考え方に沿って、バベルの塔や言語をテーマにした芸術作品、地中海世界の文化形成に果たした翻訳の役割を例示する写本や書籍などを展示、翻訳の困難な言葉に着目して文化の差異を考える材料を提供するコーナーも設けた。安易なアイデンティティに依拠して他者を排除しようとする現今の風潮に警鐘を鳴らす狙いもある。なお、監修のカサン氏は特別展と並行して関連書籍「翻訳礼賛」を出版した。特別展は3月20日まで開催。