OECD調査:フランスでは金銭的な理由で医療を断念するケースが問題に

経済協力開発機構(OECD)はこのほど、加盟国の医療比較調査を発表した。これによると、欧州諸国において、各種の理由から適正な医療を受けられない人が占める割合は、全体で3.3%(2014年)となった。フランスでこの割合は2.8%と低めだが、所得水準で下位20%に限定すると、この割合は6.6%まで上昇、こちらは欧州平均の6.4%よりも高い。金銭的な理由による医療の断念という問題が、フランスでは欧州諸国の中でも切実であることがうかがわれる。フランスの医療支出は対GDP比で11%(2015年)に上り、これはドイツ及びスウェーデン(共に11.1%)に迫る最高の部類に入るが、そうした支出が貧富の差に由来する医療格差の軽減に十分な効果を発揮していないことがわかる。
歯科治療については、欧州では全体で5.5%の人が治療を断念したと回答。この割合は、所得水準で下位20%では10.4%、上位20%では1.7%となっており、金銭的な理由に専ら由来していることがわかる。フランスでは、平均値は欧州並みではあるが、下位(12%)と上位(1.6%)の間の格差は平均よりも大きく、この点ではスペイン、イタリア、ギリシャに次いで最も不平等な部類に入る。なお、欧州諸国を全体的にみると、歯科治療を断念した人が占める割合は、2008年の経済危機発生を境にして、全般的に上昇する傾向にある。
人口1000人当たりの医師の数は、欧州平均の3.3人に対して、フランスでは3.5人と多い。ただ、フランスの場合、2000年以来でこの数が増えていない稀な国の部類に入る。人口高齢化を背景に今後、医師不足の問題が鮮明になる恐れがある。