岐路に立つフランス人学校

仏会計検査院は2016年10月に、国外のフランス人学校が岐路に立たされており、将来的には衰退する恐れがあることを警告する報告書を発表した。フランス在外教育庁(AEFE)が管轄する136ヵ国の494校では、フランス人子弟13万人、フランス式教育を望む外国人子弟20万人がフランスの学校教育プログラムに沿って勉学している。外国のフランス人学校の問題点としては、公的援助が長年にわたり減り続け、親の学校授業料の支払い能力にも限界があり、また英語系のプライベート・スクールとの競争にさらされていることが挙げられる。英語系のプライベート・スクールは年間500校のペースで新設され、2020年にはその数は1万1000校に達すると予測される。英語が国際言語となっていることに加えて、英語系プライベート・スクールは英米の大学への進学を望む人にも魅力がある。
フランス人学校はフランス語圏では大きな問題に直面していないが、非フランス語圏では、外国在住フランス人の10-20%が英語系の学校を選択している。またフランス人学校で中等教育を受ける生徒が必ずしもフランスで高等教育を受けないことも問題点として挙げられる。フランスの大学の国際ランキングが低下しつつあり、またフランスの複雑な高等教育システムが良く理解されていないことも手伝って、英米の大学に進学するケースが増えているとされる。
なお、フランス人学校出身者にはフランス国内の大学入学資格取得者に付与される全国学生番号(国内ではこの番号を使ってネットで進路選択手続きを実施)が与えられていないため、進路の追跡が難しい。会計検査院の報告は、フランスで進学するフランス人学校出身者の数が把握されない現状では、フランス人学校の評価や数値を挙げた目標の設定が困難と指摘している。