パリ首都圏、水道水汚染テロ対策を推進

仏ヴェオリア(環境サービス)は10月18日、パリ首都圏の上水事業における毒物によるテロ対策の現状について発表した。センサを210ヵ所設置し、万全の備えを整えたことを強調した。
ヴェオリアは2010年に、パリ首都圏(パリ除く)の150市(人口合計450万人)の水道事業を統括するSEDIFから運営受託契約を獲得。その時点からテロ対策の展開を進めてきた。毒物は水道水中の塩素と反応して酸化するが、この反応により塩素の濃度が低下することから、塩素濃度を検出するセンサを要所に設置すれば、攻撃があった際に検出できる。ヴェオリアは専用センサ「カプタ(Kapta)」を2012年に試験導入して性能を調べた上で、2014年までに設置の契約目標を達成。昨年には、ルブルジェ市の会場で開かれた国連気候変動枠組み条約締約国会議(COP21)にあわせて、同市の水道網に追加で展開をしたことで、設置数が210に達した。ヴェオリアはこのソリューションを2010年の上海万博と2012年のロンドン五輪の警戒でも導入。リヨン(30ヵ所)やリールなど国内の他の主要都市における展開も進めている。
パリ市内の上水道事業を担当する公営企業オードフランスも、2009年から50ヵ所程度にセンサ「クロールスキャン」を設置。同社はさらに、毒物の種類を早期に分析するソリューションを開発。微生物による汚染では3分間で特定が可能であるという。
水道を狙ったテロとしては、汚染以外にも、運営に必要な情報処理システムを狙ったサイバーテロや、施設に対する物理攻撃も考えられる。このため、汚染対策と並行して、ビデオカメラ・係員による監視やサイバーテロ対策などを多面的に進める必要がある。