パリ郊外で警官殺害事件、「イスラム国」が犯行声明

パリ郊外マニャンビル市(イブリーヌ県)で6月13日夜、警官とその家族が殺害される事件があった。事件後、「イスラム国」がインターネット上で犯行声明を出した。
事件は同日20時30分頃に発生。犯人の男は警官を自宅前で刺殺し、自宅に押し込んで家族を人質として立て篭もった。3時間後に当局の特殊部隊が突入し、犯人の男は死亡、人質となっていた警官の妻も遺体で発見された。夫妻の子供である3才の男の子は無事に保護された。
刺殺された警官は県内レミュロー市の警察署に勤務する警官で、死亡した妻も同じく県内マントラジョリ市の警察署に事務員として勤務する職員だった。報道によると、犯人の男はマントラジョリ市に住むラロシ・アバラ(25)で、イスラム過激派として当局にマークされていた。2011年には、ジハード主義者の外国渡航を幇助した容疑で逮捕され、2013年に禁固3年(うち6ヵ月は執行猶予付き)の有罪判決が確定、勾留期限で刑期を終えていることから同年9月に釈放されていた。
アバラは、SNSを通じて「イスラム国」に所属する旨を公表。犯行後に「イスラム国」はインターネットを通じて犯行声明を出した。犯人は、被害者の職業を調べた上で、今回の犯行に及んだものと考えられ、イスラム過激派によるテロが新たな局面を迎えたことを印象付けた。犯人は銃器ではなく刃物で襲撃しており、これは、大掛かりな武器の調達が必要ない「身軽な」犯行を優先した結果とも考えられる。このような攻撃は、「イスラム国」が呼びかけている草の根のテロとも方向性が一致しており、本拠のシリアやイラク、またリビアで攻勢に晒されている「イスラム国」が、最大限のメディア露出を狙ったテロ攻撃を末端のシンパを動かして実行する道を選択したものとも解釈できる。
カズヌーブ内相は14日朝、今回の事件を「憎むべきテロ行為」と形容して糾弾。世界的にもテロの脅威が高いことを指摘しつつ、治安の確保に全力を尽くす方針を再確認した。