非常事態宣言の延長決まる:「イスラム国」によるテロの脅威は去らず

仏下院は5月19日、非常事態宣言を7月26日まで延長する旨を定めた法案を可決した。同法案は上院で採択済みであり、これで正式に成立した。政府は、6月から7月にかけて、サッカー欧州選手権(ユーロ2016)とツールドフランス(自転車ロードレース)がフランス国内で開催されることから、その警備の必要性を挙げて、非常事態宣言の延長を国会に対して求めていた。非常事態宣言は、去る11月のパリ同時テロ直後に出され、その後に1回、延長されていた。
これを前に、下院の国防委員会にて5月10日の時点で行われた情報機関DGSIのパトリック・カルバール局長の聴聞の内容が、18日に公表された。局長はこの中で、フランスが「イスラム国」の最大の標的となっていることを強調。局長は、「イスラム国」の勢力がシリアとイラクで後退していることを挙げつつ、逆に最大限の効果を狙ったテロを早期に仕掛けてくる可能性が高いと説明。特に、人が集まる場所に爆弾を仕掛けるというやり方のテロが行われる可能性があるとして、ユーロ2016などのイベントが標的となる恐れがあることを強調した。局長は対策として、欧州レベルで武器の取引の摘発を強化し、テログループに武器が渡らないようにすることが重要だと指摘。局長はその一方で、「イスラム国」に合流した者たちが連れていった子供たちが治安上の脅威になると指摘。こうした子供たちは400人ほどに上ると推定されるが、武器を扱う訓練を受け、洗脳を受けており、今後の対応が困難な課題になると指摘した。このほか、リビア情勢を懸念材料としてあげた。