「金融新協定のためのサミット」、マクロン仏大統領の呼びかけでパリで開催

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マクロン仏大統領の呼びかけで、「金融新協定のためのサミット」が6月22日にパリで開幕する。23日まで開催される。
気候変動や貧困の打撃が大きい途上国への支援を拡大するための方法が協議の対象となる。サミットには、40ヵ国余りの首脳が出席する予定で、その中には、ブラジルのルラ大統領、ドイツのショルツ首相、南アフリカのラマポーザ大統領、中国の李首相などが含まれる。NGOの代表などの出席も予定されている。大統領府筋によると、貧困・不平等対策を推進しつつエネルギー移行を支援するには、年間1兆ドルという巨額の資金が必要になるという。大統領府筋では、革新的なファイナンスの導入と、国際金融機関(IMF、世銀)の改革が対策の柱になる。ただし、サミットにも出席する米国のイエレン財務長官は、IMF・世銀の改革に消極的な姿勢を示しており、具体的な前進が近い将来に得られる可能性は低い。
今回のサミットは協議を目的としたもので、具体的な決定がなされる場ではない。フランス政府としては、気候変動対策に力を入れる姿勢を内外に示し、また、それにより、途上国に非民主主義勢力の影響力が広がるのを避けたいという期待がある。新たなファイナンスの方法としては、フランス政府は、海運に対する炭素課税の導入(年間200億-300億ユーロの収入確保が可能)、金融取引税(いわゆるトービン税)の国際的な導入などを提案する見通し。