オランジュリーでモネとアメリカ抽象絵画の特別展

パリのオランジュリー美術館で「睡蓮 アメリカ抽象絵画と最後のモネ」と題する特別展が開催中。オランジュリー美術館はもともと、モネが国に寄贈した「睡蓮」の連作を展示するために温室を改装して1927年にオープンした美術館だが、当時はより近代的な芸術思潮に目を奪われる形でモネの評価はむしろ低く、悪評も聞かれた。そうした中で、形が失われる限界まで光と色の追求を続けたモネの後期作品に含まれる可能性を見出したのが米国の芸術家たちで、モネの作品群は米国で1950年代以降に勃興する抽象絵画の源泉の一つとなった。今回の特別展は、モネの後期作品約10点と、米国のアーティストの約20点の作品を展示。モネから抽象絵画に至る流れを跡付けるのに成功している。モネは、長年の野外の制作活動が仇となって、晩年には視力が著しく低下し、印象をキャンバスに叩きつけるような作品を残したが、これは絵画と動作を強く結びつける結果をもたらし、ジャクソン・ポロックのようなアクション・ペインティングにも道を開いた。モネの強い影響下で制作を続けたジョアン・ミッチェル(1992年没)は特に、モネが開いた具象から抽象に至る道程を真摯に追求する作品を残しており、今回の特別展でも異彩を放っている。8月20日まで開催。火曜休館。