文学理論家のジェラール・ジュネット氏が死去

「新批評」の中心的人物として知られた文学理論家のジェラール・ジュネット氏が11日に死去した。87才だった。
ジュネット氏は1930年生まれ。パリ高等師範学校(ENS)では哲学者のジャック・デリダ(故人)と同窓で、1951年に文学のアグレガシオン(高校教授資格)を取得、1963年にはソルボンヌ大学の助手に、1967年にはロラン・バルトの推薦を得てEHESS(社会科学高等研究院)の助教授に就任、その後EHESSの教授となり、1994年に退職するまで務めた。1966年に代表作となる論文集「フィギュール」の第1巻を刊行。バロック文学のテーマ研究に近い地点から出発し、より普遍的な構造と形式の徹底した分析へと進み、ナラトロジー(物語論)の理論構築で特に注目された。1960年代から70年代にかけて文学研究界を席巻した「新批評」の支柱の一人であり、トドロフ(故人)と共に発刊した「ポエティック」誌は文学理論研究の牙城となった。理論家であると同時に、「批評は文学の一形態」であるという持論を持ち、特に1990年代以降は、他の芸術分野への関心を深め、より闊達で自由な表現を模索していた。