エールフランス、混迷深まる

エールフランスKLMのジャナイヤックCEOが4日辞意を表明したことで、賃上げをめぐる同社の労使紛争の行方に不確実性が増したため、5月7日のパリ株式市場では寄り付きで同社の株価が13%も急落した。ジャナイヤックCEOは8日、パイロット労組SNPLから「政府の傀儡」と形容されたことは侮辱だとして、「政府がエールフランスの唯一の実質的経営者だとの考えには反論せざるをえない」と同労組宛の書状で反駁し、労使間の緊張はさらに高まっている。ストは7日および8日も続き、参加率は低下したものの、2割のフライトがキャンセルされた。
こうした状況下で、ルメール経済相は6日、「競争力強化に必要な努力を怠れば、エールフランスは消滅するリスクがある」と警告し、ボルヌ運輸相も8日、同社の将来に懸念を表明した。同社の取締役会は5月15日に暫定的な新経営陣を任命する予定。ただし、次期CEOの人選は難航しそう。同社は国が14%出資し(議決権はその2倍)、公共部門の規則によってCEOの報酬に制限があるため、競合他社のCEOより低いことも適当な候補者が少ない一因といわれる。
ジャナイヤックCEOが辞任を決意したのは、エールフランスで行われた全従業員対象の投票で、経営側が4月16日に提示した労使合意が拒否されたことが理由だが、皮肉なことに、合意拒否の決定後、従業員の間でも不安感が強まっている模様。投票は積もり積もった様々な不満のはけ口となったが、その結果は危機の深刻化を招き、今後は「二日酔いが長く」続くとの見方もある。またKLM(オランダ)の従業員からは、エールフランスの従業員がグループのCEOの進退を左右するのは受け入れがたいとの反発も出ている。