パリ・セーヌ河岸の古本屋、ユネスコ無形文化遺産への登録目指す

パリのセーヌ河岸に並ぶ古本屋をユネスコの無形文化遺産に登録しようとする動きがある。業界関係者の発案で、パリ市も登録に協力する構えを見せている。
セーヌ川の河岸には、堤防上に箱が設置されており、内部に古本や版画などの商品が収納されている。通いの露天商が箱を開いて内部の商品を販売する風景は、パリ観光の風物詩として知られる。この箱はパリ市が管理し、権利を露天商に譲渡する形になっており、210人の露天商が営業している。1人は4箱の権利を得ることができるが、3箱は古本販売に用いなければならず、雑貨を販売してよいのは1箱のみという規定がある。ただ、土産物を売った方が実入りがいいことから、品揃えの逸脱が見受けられ、問題視されるに至っている。業界団体を率いるジェローム・カレ氏は、古本屋の伝統の徹底を図るために、無形文化遺産への登録を通じて、業界人が一丸となって仕様を遵守する体制を作るべきだと提言。パリ市の側でもこの発議に賛成し、登録に協力する姿勢を示している。ただ、ユネスコ無形文化遺産への登録をフランスが申請できるのは2年間に1件のみで、登録を目指している案件は多数あることから、勝ち残るのは容易ではない。登録申請に当たっては国内の無形文化遺産として承認されるのが前提で、こちらの審査には2年程度がかかる。申請が実現するとしても、早くて2021年になり、また、申請してもユネスコに登録が認められるとは限らない。