シャルル・モーラスの作品集が復刊、批判も

シャルル・モーラス(1868-1952)の作品集がこのほど、ロベール・ラフォン社の「ブッカン」シリーズから刊行された。モーラスへの関心が高まる中で、1226ページと大部の作品集の復刊となった。
モーラスは文芸評論家としてジャーナリズム界で活躍、ドレフュス事件(ユダヤ人の軍人がスパイ容疑の冤罪で追及された事件)では積極的に反ドレフュスの論陣を張り、1898年には右翼団体アクション・フランセーズを立ち上げ、反革命の王党派にして伝統派という立場から、ナショナリズムと反ユダヤ運動を唱道して活躍した。第2次大戦中にもペタン政権(ナチスの傀儡政権)と微妙な距離を保ち、戦後の1945年には敵国との内通の容疑で有罪判決を受けている。
このところはポピュリズムの機運が欧州で幅広く高まる中で、フランスでは極右勢力を中心にモーラスの復権を狙う動きがある。時宜を得た復刊ともいえるが、この時代に詳しいアントワーヌ・コンパニョン教授(コレージュドフランス)はルモンド紙に寄せた書評の中で、主要な著作が抜粋で収録されており、モーラスの意図が読者には読み取れないようになっていると問題視。読者がそれぞれ、自ら判断するための材料を提供するという再刊の趣旨に反しており、モーラスを「ソフト」に見せようとする作為が透けて見えると苦言を呈している。