カルカソンヌでテロ事件、4人が死亡(続報)

仏南西地方のカルカソンヌ市(オード県)とその近郊で3月23日、イスラム過激派によるテロ事件があった。犯人が一人で、数ヵ所を相次いで襲撃した。犯人は同日午後に射殺され、事件は終結した。合計で4人が死亡、十数人が負傷した。
同日の午前10時13分、犯人のラドゥアン・ラクディム(25)は市内で乗用車を襲撃。乗っていたドライバーに拳銃で重傷を負わせ、同乗者を殺害した上で、車を奪って逃走した。犯人は次いで、機動隊が駐屯していた兵舎前で待ち伏せし、ジョギングから帰ってきた隊員を拳銃で狙い撃ちした。この時に隊員1名が重傷を負った。犯人はそのまま車で逃走し、市を抜けて隣接するトレブ市に向かい、市内の店舗面積2000平方メートルの食品小売店舗「シュペルU」の店内に入った。犯人はこの時、「アラー・アクバル」と叫び、自分は「イスラム国」の兵士で、シリアのために死ぬ覚悟だと述べて、「同胞たちの解放」を要求。拳銃を発射して店員と買い物客の2人を殺害した。急行した憲兵隊がただちに現場を包囲、この時に憲兵隊のベルトラム伍長(45)が人質と交換の形で自ら店内に入り、店内には犯人と伍長のみが残ったという。携帯電話を通じて内部との連絡が確保されていたが、14時20分に銃声が聞こえたため特殊部隊GIGNが店内に突入、犯人はこの時に射殺された。重傷を負ったベルトラム伍長は24日に入院先で死亡した。突入した隊員らの中にも2人の負傷者が出た。
犯人のラクディムはモロッコ系のフランス人。カルカソンヌ市の団地街に両親ら家族と共に住んでいた。ラクディムは2011年(武器の不法所持)と2016年(麻薬取締法違反)で有罪判決を受けた前歴がある。当局はまた、2014年に過激派の要注意人物を網羅した通称Sファイルにラクディムを登録し、監視対象に置いていた。事件を捜査するテロ捜査班のモラン検事によると、2016年から2017年にかけて当局はラクディムの身辺調査を継続的に行ったが、差し迫った危険は見受けられなかったという。ラクディムはイスラム過激派のフォーラムでシリア渡航を希望する旨を宣言していたが、実際に渡航した形跡は見当たらないという。犯人は犯行時に、拳銃と刃物、手製の爆弾で武装しており、入手経路の特定が進められている。当局はまた、内縁の妻など2人を逮捕し、25日時点で取り調べを継続している。自宅からは遺書めいた手書きの文書などが発見されている。なお、「イスラム国」は事件の終結後、23日午後という早い時点で犯行声明を出したが、犯人に関する詳細などの情報は含まれておらず、「イスラム国」と犯人の間に直接の接触はなかった可能性が高いとみられている。
死亡者を出したテロ事件が最後に発生したのは、2017年10月1日にマルセイユ市サンシャルル駅前で起きた事件(通行人2人が刺殺される)にさかのぼる。今回の事件は前回と同様、単独犯の犯行とはいえ、被害の規模がさらに大きく、当局の監視下に置かれていた犯人の犯行を阻止できなかった点も悔いを残す結果になった。