パリ市議会、高齢者等の公共交通料金を無料化へ:全面無料化も検討へ

パリ市議会は3月20日、高齢者などを対象にした公共交通料金無料化を議決する。22万人に首都圏全域で使用できる定期券を無料で提供する。具体的には、月額収入が2200ユーロ未満(夫婦等の場合は3400ユーロ)の高齢者(65才超)に定期券を無料で提供する。20万人が受益者となる。身障者生活保障手当の受給者2万人も対象となる。1200万ユーロに上る費用を市が肩代わりする。
パリ市のイダルゴ市長は仏経済紙レゼコーに対して、公共交通機関を全面無料とする構想の検討に着手すると予告。可能性を探るための調査を今夏までに開始し、2020年の次期市議会選挙に向けて議論を喚起する考えを示した。
公共交通機関の無料化は、最近にドイツ政府が大都市における大気汚染対策の手段として提案し、注目を集めている。フランスでは、コンピエーニュ市が長らく前から導入、最近ではニオール市なども導入した。パリの場合、公共交通機関の予算は年間100億ユーロに上り、うち6割は企業からの拠出金(従業員数10人以上の企業が対象)で賄われている。運賃収入は全体の28%を占めるが、完全無料化ということになると、この28%相当の資金をどう確保するかが課題になる。