パリ・セーヌ右岸の自動車専用道、パリ市による通行禁止令を行政裁が無効に

パリ行政裁判所は21日、セーヌ右岸の自動車専用道の歩行者天国化について、パリ市が2016年9月に下した同自動車専用道の通行禁止令を無効とする判決を下した。環境アセスメントが不十分で、かつ不正確な内容であり、脱漏が多いと厳しい判断を示し、通行禁止令を下すに至った手続きに不備があると認め、パリ市の決定を無効とした。パリ市のイダルゴ市長はこの判決を不服として控訴すると予告、直ちに新たな通行禁止令を定めて、歩行者天国化を推進すると約束したが、実現可能性は遠のいたとの見方もある。
パリ市は、パリ右岸の自動車専用道を、チュイルリー河岸(ルーブル美術館東端)からアンリ4世河岸までの間の区間について通行止めとし、歩行者専用道などに鞍替えする準備を進めていた。この計画に対しては、パリ市の野党勢力から、市内の交通渋滞を招き、一部地区ではかえって大気汚染や騒音の水準が上昇したなどと主張する反対意見が出されており、今回、行政裁もそうした主張に理解を示す形で、通行禁止令を無効と判定した。イダルゴ市長の側は、通行禁止以来で行われた調査結果から、大気汚染削減などの効果があるのは明らかだなどと主張、市民や観光客のためにも歩行者天国化の実現は譲らないとの構えを示している。
パリ市の野党勢力は今回の判決について、イダルゴ市長の運営能力の拙劣さを明らかにしたものだと指摘。実際、パリ市はこのところ御難続きで、去る2月6日には、JCドゥコーと結んだ屋外広告スペース運用の契約について、行政裁判所により無効化の判決を受けたばかりだった。自転車レンタルサービス「ベリブ」も事業者変更以来で機能不全が目立っている。