セリーヌの反ユダヤ文書、ガリマールが刊行を取りやめ

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文芸出版大手のガリマール社は11日、セリーヌ(1894-1961)が親ナチス時代に出版したユダヤ人排斥文書の刊行を停止すると発表した。アントワーヌ・ガリマール社長が声明文を公表した。
セリーヌは20世紀を代表する仏小説家の一人だが、第2次大戦勃発前からナチス支持に傾き、反ユダヤ的な主張を展開してナチスを擁護したという一面もある。当時の排斥文書は戦後、本人や遺族の意志もあり再版されていなかったが、2012年にカナダ・ケベック州で著作権切れ(カナダでは著者の死後から50年で、フランスの70年より短い)を利用して校訂版が出版され、ガリマール社は、遺族の承認を得て、これに序文をつけて出版することを決めたが、この再版には、強制収容所に送られたユダヤ人の遺族協会の会長を務めるセルジュ・クラルスフェルド氏らをはじめとして、ユダヤ人排斥文書にお墨付きを与えるのと同様だなどとする批判の声が上がっており、ガリマール社も最終的に、刊行を取りやめることにした。
アントワーヌ・ガリマール社長はルモンド紙に対して、クラルスフェルド氏に逆らっては何もできない、と言明、作家セリーヌを理解する上で、ユダヤ人排斥文書は不可欠だと述べて、刊行取りやめに無念の意をにじませた。