法定最低賃金(SMIC)制度、見直しを求める専門家報告書が提出に

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労使の協議機関CNNC(労使交渉全国委員会)に対して、専門家委員会がこのほど、法定最低賃金(SMIC)の抜本的改正を提案する報告書を提出した。ルモンド紙がその内容を報じた。
フランスでは、法定最低賃金(SMIC)は毎年、自動的にスライド改定される規定になっている。改定は、インフレ率(所得下位20%の世帯が購入する財・サービスのバスケットによる物価変動率、たばこ除く)とワーカー・従業員の時間給の推移を半々の比率で基準とし、これに連動する形で行われる。自動改定分に加えて、政府は独自の判断で改定率を引き上げることができる。CNNCは毎年、専門家委員会の鑑定を踏まえて、SMICに関する勧告を政府に出しており、これは従来、改定率の上乗せの是非に関する勧告だったが、今年の専門家委員会の報告はさらに踏み込んで、自動改定制度そのものの見直しを求める内容となった。ちなみに、専門家委員会はマクロン大統領の就任以来で委員が大幅に入れ替えられていた。
専門家委員会は、経済協力開発機構(OECD)加盟国中で法定最低賃金制度が導入されている国(27ヵ国)で比べても、フランスは最低賃金の水準がかなり高いと指摘。最低賃金が高いことで、経営者が採用を手控える傾向があり、雇用拡大のためにも最低賃金の制度を見直すべきだと指摘した。具体的には、諸外国に例がない「ワーカー・従業員の時間給推移」を改定基準から外すか、SMICの自動改定そのものを廃止し、政府が3-5年の期間で一定の購買力保障を約束し、その約束を踏まえて改定幅を決めるという形か、いずれかにすることを提案した。専門家委員会は特に、SMICを引き上げても低賃金労働者の購買力増強の効果は薄いと指摘。また、低賃金雇用に係る社会保険料還元を通じた労働コスト削減を旨とした政府の政策については、労働コスト削減の成果はあったが、国の費用負担も大きいと指摘、SMICの過度な上昇を抑制することを優先すべきだとの見方を示した。