ドイツ:連立交渉が決裂、政局は混迷

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ドイツで進められていた連立政権樹立の交渉が11月19日に決裂した。自民党(FDP)が交渉打ち切りを決めた。ドイツの政局はこれで先の見えない混迷期に入った。
ドイツでは、9月24日の総選挙を経て、メルケル首相のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)が第1党の地位を守ったものの、議席数は後退。極右AfDが初めて連邦議会で議席を獲得するという大変動もあった。メルケル首相と保革共存の大連立を組んでいた社民党(SPD)も議席数を減らし、野党に転じることを決めたことから、CDU/CSUと自民党、そして緑の党の3党という、連邦政府レベルでは初の組み合わせの3党連立(3党のカラーがジャマイカ国旗の色の組み合わせと同じであることから「ジャマイカ連立」と呼ばれる)の樹立に向けた交渉が進められてきた。ただ、特に移民問題への対応を巡り自民党と緑の党の対立が目立ち、自民党のリントナー党首は19日夜、「拙劣な政権運営に甘んじるくらいなら政権に入らないほうがよい」と述べて、連立交渉から離脱すると発表。これを受けてメルケル首相も20日未明に交渉の決裂を認めた上で、同日中にもシュタインマイヤー大統領と会談し、対応を協議すると予告した。具体的な今後の可能性については言及を避けた。
ドイツで総選挙後に政局がこれほど混迷したのは前例がない。総選挙をやり直すという選択肢もあるが、その場合は、大統領による首相指名と連邦議会での信任投票の失敗を経て、所定の調整も不調に終わった場合に、大統領が連邦議会を解散して総選挙を行うという段取りになり(基本法第63条)、全体で次の総選挙まで3ヵ月近くの期間が必要になる。シュタインマイヤー大統領は20日、国民向けのテレビ・メッセージで、各政党に協議の継続を促すと言明、当面は協議により打開策を見出す考えを示した。メルケル首相にとっては、連立樹立に失敗すれば、政治家としてそこで終了ということになりかねないが、CDU内部に後を継ぐ適任者がいないことが、首相にとってはせめてもの好材料になっている。