シネマテークのポランスキー特集に女権団体が抗議

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パリのシネマテーク・フランセーズでロマン・ポランスキー監督作品の特集(ポランスキー回顧展)が組まれ、初日の10月30日には、監督自身の出席を得て最新作の上映が催された。この機会に、女権団体の呼びかけにより100人前後の女性がシネマテークの前で抗議行動を展開し、フェメンの活動家がトップレスで会場への乱入を企てるという一幕もあった。
ポランスキー監督(84)はポーランド人だが、現在はフランスに居住し、仏国籍も取得している。映画監督としては巨匠と讃えられる一方で、かねてより未成年の女性に対する淫行容疑で訴えられていた。最近のセクハラ告発の運動も手伝って、現在は米英およびスイスで合計5人の女性が、未成年だった1970年代および1980年代にポランスキー監督から性的暴力を受けたと訴え出ている。
活動家らは、シネマテークの回顧展が、地位や名声のある男性によるセクハラをもみ消そうとする企てに繋がるものであり、現存のアーティストの場合に作品と作者を区別するという理屈は通用しないなどと糾弾している。これに対して、シネマテークの理事長をつとめるコスタ・ガブラス監督は、シネマテークにもポランスキー監督にも無関係な外的圧力のせいで回顧展を中止することはありえないと反論。ポランスキー監督自身も挨拶の中で、ナチス・ドイツの焚書などに言及した上で、シネマテークとデジタル化のおかげで自らの映画作品が恒久的に保存されるようになったことに喜びを表明した。なお、同監督はパリ生まれだが、クラクフ(ポーランド)のゲットーで育ったユダヤ系で、両親と姉はホロコーストの犠牲になった。
ちなみに活動家の一人は、初期の傑作「吸血鬼」(1967年)について、若い頃にみて素晴らしい映画だと思ったが、自分の13才の娘は同作の端々にある性的暗示を嫌らしいと感じており、受け止め方が異なると指摘し、若い世代は男性の誘惑や支配に対して批判的な視線を注いでいると強調した。