英首相、演説中のハプニングで権威回復ならず

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英国のメイ首相は10月4日、マンチェスターで開かれている与党・保守党の年次党大会で演説し、個人的利害を超えて国民の利益のために結束することを呼びかけたが、一連の予期せぬ事態により、狙いどおりに権威を回復するにはいたらなかった。首相はこの演説の中で、6月の繰り上げ総選挙で議会の過半数を失ったことを謝罪したが、その直後に、コメディアンが闖入し、(次期首相の有力候補としてライバル視される)ジョンソン外相から頼まれたと称して首相に解雇通知を渡すというハプニングがあった。さらにメイ首相は咳がとまらなくなり、声がでない状態に陥り、ハモンド財務相がのど飴を手渡すという一幕もあった。首相の背後に貼られたスローガンの文字が剥げ落ちるというおまけもついて、指導力低下を指摘される首相の窮地を象徴するような結末となった。
ジョンソン外相はハードブレグジットの支持者で、党大会の開幕前に大衆紙サンとのインタビューで、EUからの離脱に関する「4つのレッドライン」を提示するなど、ソフトブレグジットへの軌道修正を進めつつあるといわれるメイ首相を牽制する姿勢を示している。
なお、離脱交渉を担当するデービスEU離脱担当相は3日、党大会での演説で、英国に必要な良い合意の成立を目指しているが、交渉が首尾よく進まない場合は、合意なしに離脱に踏み切る用意があると発言した。これはメイ首相が当初に掲げていた「悪い合意よりは、合意なしのほうがまし」というスローガンに合致しているが、合意が不成立なままに離脱した場合、2019年4月から英国の輸出品にEUが関税を課すなどの状況が予想される。
9月25日から28日までブリュッセルで行われた離脱交渉の第4ラウンドについて、EUのバルニエ首席交渉官は、離脱の条件について交渉が捗っておらず、将来的関係に関する交渉の次段階にはまだ移れないと判断しており、欧州議会も10月3日、交渉が十分に進んでいないとの評価を下した。