マクロン大統領、欧州政策で提言

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マクロン大統領は9月26日、パリのソルボンヌ大学を会場に、欧州政策に関する提言を発表した。大統領はこの中で、欧州全域でポピュリズム勢力が台頭していることを挙げつつ、欧州の若い世代を過激主義の手から守るために、欧州の改革加速が緊急の課題であるとし、「主権を有し、統一され、民主主義に基づいた欧州」の建設を訴えた。
マクロン大統領は、ドイツ総選挙の終了直後というタイミングを選んで、持論である欧州改革の提言を公表した。ドイツでは、メルケル首相が4期目を迎えることが確実になったものの、連立政権樹立のための交渉はかなり厳しくなることが予想されている。マクロン大統領は、メルケル首相の勇気と、歴史において果たすべき役割に関する意識の高さをよく知っていると述べて、独仏の協力を軸として欧州建設を推進するよう呼びかけた。
マクロン大統領は、テロ対策や移民対策、気候変動対策や経済政策などのテーマに沿って、具体的な措置を説明。大統領はその一方で、改革の実現に向けてはかなり長期的な展望に立っていることを示唆、パリ五輪が開催される2024年を欧州にとっての重要な機会にしたいと述べて、自らの任期満了を超えた7年後をめどに改革の実現を目指す考えを示した。また、有志国が集まる先行統合型の協力に積極的な姿勢も示した。主な提言は以下の通り。▽欧州レベルでの軍事分野での協力。「欧州国防庁」を設立し、各国の軍隊の間の人材面での協力を強化する。諜報分野での人材養成の共同機関も設立、また、テロ対策を担当する欧州検事局も設立する。さらに、消防・救助分野でも合同組織を作り、気候変動により生じる大規模災害への対応力を整える。▽難民・移民への対応の統一化。域外国境の厳密な管理と並行して、難民の同化と職業訓練を強化する。アフリカ諸国を戦略的パートナーとし、開発支援と協力強化を進める。開発支援の財源には金融取引税の一般化による税収を充当する。▽域内への輸入品に係り炭素課税を導入し、二酸化炭素排出規制が緩い諸国からの輸入品に対して、域内の産品が競争力を確保できるようにする。また、欧州のエネルギー市場の統合を推進する。▽共通農政(CAP)の見直しにより、農民と消費者の保護を強化する。▽ブレイクスルー技術開発に資金を供給する目的でエージェンシーを設立する。域内デジタル市場の統合推進に加えて、インターネット大手を念頭においた適正な課税制度の導入を進める。▽ユーロ圏予算を導入する。財源としてはデジタル課税や環境課税の税収を充当する。予算の運営は、欧州経済相が欧州議会の監督下で行う。