フランクフルトモーターショーが開幕:電動化の加速が鮮明に

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フランクフルトモーターショーが9月12日に開幕する。12-13日はメディア向け、14-15日は業界関係者向けの「トレードデイ」で、一般公開は16日から。開催期間は9月24日まで。主催者であるドイツ自動車工業会(VDA)によると、出展企業数は1000社程度という。ただし、日産、プジョー、フィアット、テスラ、ボルボなどの大手自動車メーカーは不参加。
67回目となる今回のフランクフルトモーターショーは、世界的に自動車市場が成長局面にある中で開催される。コンサルティング大手アリックスパートナーズによると、今年の世界の乗用車新車販売台数は9400万台に達し、昨年比で2.2%増加する見通し。成長は今後も続き、2020年には1億台、2024年には1億1500万台に上ると見込まれている。仏自動車部品大手のフォルシアによると、地域別には景気循環に左右されるものの、世界全体では自動車産業の成長は持続するという。自動車メーカーの業績や財務も改善が鮮明になっている。
不安材料としては、やはり排ガス不正疑惑をきっかけとするディーゼル車の危機があげられる。危機の元凶ともいえるフォルクスワーゲン(VW)の業績は順調に回復しているが、他社にも不正疑惑が拡大している上に、9月24日の独連邦議会選挙を控えて、ディーゼル車の排ガスによる大気汚染への対策が重要な政治的課題として再浮上している。14日にモーターショーを訪れるメルケル首相にしても再選を確保するには自動車業界に対して妥協のない姿勢で臨む必要があろう。欧州レベルでも9月1日から路上走行試験を基準とする新たな規制(RDE)が導入され、ディーゼル車を取り巻く環境はいっそう厳しくなった。
またVWなどにとり極めて重要な市場である中国でも9月10日、将来的に内燃機関自動車(ディーゼル車・ガソリン車)を全面的に禁止することが検討されていると報じられ、電動化に拍車がかかることは必至とみられている。フランクフルトモーターショーを控えて、すでにジャガー・ランドローバーやBMWが電動化プランを提示していたが、11日にはVWも2030年までに全ての車種について電動化モデル(PHEVまたはEV)を提供できるラインナップを整えると予告した。同社はこの目標に向けて200億ユーロを投資する方針。競合のダイムラーも同日、2022年までにメルセデスベンツ・ブランドの全車種で電動化モデル(PHEVまたはEV)を提供すると発表した。また小型車ブランドのスマートでは2020年までに全車を電動化するという。自動車大手はバッテリーを外注するケースが多いため、こうしたトレンドはバッテリー市場にも朗報となる。
ただし世界規模でみるとPHEV・EVの市場シェアは1%程度に過ぎず、自動車メーカーは今後も内燃機関自動車の需要にこたえる必要がある。この分野では特にコンパクトSUVの人気が注目され、フランクフルトモーターショーでも一連の新型車が披露される。
フランクフルトモーターショーでは中国ブランド「WEY」(長城汽車傘下)と「CHERY(奇瑞汽車)」の初参加も注目される。