「イスラム国」による「テロリストの麻薬」は存在せず=専門家報告書

Share on FacebookShare on Google+Tweet about this on TwitterEmail this to someoneBuffer this page

「イスラム国」がテロ襲撃の際に服用させているという噂があるカプタゴン(フェネチリン)について、仏公的機関OFDT(麻薬・中毒症観察局)は27日付で専門家報告書を公表した。こうした噂には根拠はなく、集団的幻想に属するとの結論を示した。
カプタゴン(フェネチリン)は1960年代に発売され、かつて精神刺激剤として、またドーピング物質として用いられたが、1990年代に禁止された。報告書を作成した専門家のローラン・ラニエル氏は、現今、カプタゴンとして出回っている製品の押収物を分析してみると、アンフェタミン(覚せい剤の一種)であることがほとんどであり、「カプタゴン」とは現状ではアンフェタミンの別名に過ぎないと指摘。特別な医薬品を「イスラム国」が作り、これを戦闘用に使用し、また密輸を行って資金を稼いでいるという観測について、根拠が薄弱であると指摘した。アンフェタミンでできた「カプタゴン」を「イスラム国」が製造しているかどうかについては、そうした可能性は否定できないが、アンフェタミン密造はある程度幅の広い地域で行われていると考えられるため、「イスラム国」の専売特許とは言えないとの見方を示した。
また、自爆テロなどのテロリストが麻薬物質を摂取していたのが確認されたのはチュニジアのスースでのテロ(2015年6月)のみだが、その公式報告書は麻薬物質の種類について言及しておらず、そもそも、検出された麻薬物質の製造場所の特定も技術的にも不可能だとして、これを「イスラム国」と「カプタゴン」のつながりを示唆する材料であると考えることはできないと指摘。パリ同時テロなど他のテロ事件では麻薬物質は一切検出されておらず、「イスラム国」が特製の医薬品を製造し、これをテロ犯に与えていると考えるのは憶測に過ぎないとした。
そうした憶測がはびこる理由としては、自爆テロのような度を超した行為が意志に即して行われる訳はないという信念から発して合理的な説明を探すという努力の中で、アサシン団による大麻の使用といった伝説などを材料に、新たな伝説がねつ造されたものではないかとの推測を示している。